17.大手リサイクルショップの経営陣がよく使う言葉を知ろう
「ショップの経営に興味があるけど、数字の見かたや言葉がわからないよー!
これって大事なことだよね?」
「経営編」に入ってからは、お買取りの記事ばかりになってしまっていましたね(^^;)
今回は少し話題を変えてみたいと思います。
古着屋さんだけに限らず、総合リサイクルショップなどでも同じように使用されている「経営の基本」についてです。
まず、企業の経営陣がよく使う言葉を羅列してみます。
・売上
・買取、業者仕入
・粗利(粗利率・粗利金額)
・原価(原価率・売上原価)
・売買比(数量売買比・金額売買比)
・構成比
・販売管理費(略して販管費(はんかんひ))
・期首棚卸
・期末棚卸
すでにお店を経営されているかたはご存じかと思いますが、そうでないかたは、あまり見慣れない言葉もあるのではないでしょうか?
売上は言葉のとおり、商品が売れたときに入ってくる代金のことですね。
売上日報などにその日の売上金を記載したりします。
買取・業者仕入もおわかりになると思いますので割愛します。
・粗利(粗利率・粗利金額)
粗利(あらり)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
正確には「粗利益率」や「粗利益金額」といった使い方をします。
これは売上総利益のことで、損益計算書で使われる利益の名称です。
売上高-売上原価の計算式で求められます。
経営陣が「粗利、粗利」と言っていたら、それは粗利益金額のことをいいます。
よく使われる「粗利率」というのは、売上高に対する粗利益(儲け)の割合のことです。
当サイトのタイトル、「誰も教えてくれない利益率が高い古着屋経営のしかた」の中にある利益率というのは、この粗利率のことを指します。
・原価(原価率・売上原価)
原価は、ここでは買取や業者仕入で掛かった費用のことをいいます。
もう少し細かく言うと、カッコ内の売上原価というのは売れた物に対して掛かった費用のことです。
この段階であまりツッコんで書くと、こんがらがってくるかもしれませんので、また別の記事で書きたいと思います。
・売買比(数量売買比・金額売買比)
これは「14.古着を買い叩いてボロ儲け?」の記事で書いた売買バランスに関することです。
安定した経営を維持していくためには、とても重要なポイントです。
売買比というのは、文字通り<売り>と<買い>の比率のことです。
「その月に売れた商品の個数に対して、どれだけ買取りの量があったか」、という割合を経営の目安として確認するためのものです。
例えば、ある月に1,000点の商品が売れたのに、買取が800点の個数しかなかったとします。
その場合、翌月は販売する商品の数が200点少ない状態からスタートすることになります。
数量売買比で表すと、80%の状態です。
売る物が200点少ないのですから、それに伴って売上数量も減る可能性が高くなります。
そして売れた商品の数が減るということは、売上金額も下がるということに繋がります。
もしこの「数量売買比80%」の状態が続くと、毎月、商品在庫が20%づつ減っていくことになります。
商品在庫が減ってしまうと、回転率を上げるか販売単価を上げるかしないと、売上高が下がることになります。
上記の別記事でも書きましたが、回転率と販売単価はそう簡単には上げられません。
大手リサイクルショップの経営陣も、この数量売買比はかなり重要視しています。
近い将来の売上高に大きく影響してくるので、企業の経営陣は運営している各店舗の店長さんたちに、数量売買比の数字は必ず一定の割合を維持するように徹底させています。
経営陣が店長さんたちへ徹底させているこの数字は、何パーセントだと思いますか?
100%?
いいえ、それでも足りません。
理想的とされている数量売買比は、120% です。
上記の例で言うと、売上数量1,000点に対し、買取数量は1,200点が理想的な数字ということになります。
常に買取りが多い状態を保つのが、毎月の売上高を安定させるコツです。
そこから粗利率を意図的に操作して、キャッシュフロー(お金の流れ)を調整していきます。
「でも常に買取りのほうが20%も多かったら、過剰在庫になっちゃうんじゃないの?」
その通りです。
確かに毎月の買取り個数が、売れた個数よりも多ければ、在庫はどんどん増えていきますね。
でもちゃんとそのための対策はあります。
この在庫管理についても独自のやりかたがあります。
長くなりましたので、続きは別の記事で書きたいと思います。(^-^)
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