14.古着を買い叩いてボロ儲け?
「古着屋さん好きなんだけど……ボッタくっているの??」
リサイクルショップなどでの「買取」でよく誤解されがちなのが、「買い叩き」をしていると思われていることではないでしょうか。
「単純に安く買取りをして高く売っているから、利益率が高いだけなんだろう」といったような誤解です。
確かに安く買って高く売りさえすれば利幅は大きいので、利益率も異常に高くなります。
10円で買取りしたTシャツを1000円で売れば、利益額は990円です。
粗利率(あらりりつ)は99%です。
これは極端な例ですが、例えば実際にこんなやりかたばかりをしているお店に、買取りしてほしい品物を持って行きたいと思いますか?
「次からは、もっとちゃんと査定をしてくれるお店に持って行こう」と考えるのが人間の心理ではないでしょうか。
古着でも実際に1000円で売れるようなTシャツなら、本来はもっと高く買取りをしても良いはずです。
逆に、汚れていたりして10円のお値段しかつかない状態のTシャツだったのなら、1000円の売値をつけるべきではありません。
こういった買値と売値のバランスが取れていないお店は、自然と客足が遠のいていってしまいます。
買取りの値段を安くしすぎると、当然のように買取りのお客様が減っていきます。
「買取りが減る=仕入が減る」になるので、さらには「仕入が減る=売る物の量が減る」ということになります。
つまり売る物の量が減れば、それが影響して翌月の売上高も下がります。
実質売上数量が下がるからです。
そうなるとかなりひどい悪循環が生まれてしまいます。
買取りの減少をカバーするために業者から商品を仕入れようとすれば、原価率が上がってしまい、利益率の減少にも繋がっていきます。
「では、買い叩かないかわりに、売値を高くつけるのはどうだろう?」
売れません。
お客様はシビアです。いろいろなお店でたくさんの商品を見て目が肥えているお客様はとくに敏感です。
あっという間に、「ボッタクリ」のイメージが地域に広がってしまいます。(^^;)
このように利益を優先したいがために買値と売値のバランスを無くしてしまうと、必ずと言っていいほど仕入れ(買取)の量と売上高のバランスも崩れます。
そうなってしまうと、お店の存続にも大きく響いてくるようになるでしょう。
そのため大手リサイクルショップの経営陣などは、この売買バランスにはかなり神経質になっています。
お店を長く続けるために、そして健全なお店の経営をするために、「利益率を上げすぎない」ように気をつけています。
むしろ利益率が上がりすぎてしまったときは、買取りアップキャンペーンをしたり、セールを行い売値を下げるなどして、意図的に利益率を低下させるようにしています。
リサイクルショップは常に「買い叩き」をしている、というのは大きな誤解です。
もしかすると買い叩きをしているお店もあるかもしれません。
けれど、そういうお店は一時的には利幅が大きいので儲かるかもしれませんが、安定した経営にはなりません。
買取りが減り、売る物が減り、売上高が下がり、利益率も下がっていきます。
さらに買取りが減るだけでなく、品物の質も悪くなっていきます。
買い叩きをするようなお店に、高いブランド物や良い品質の物を売りに行こうとは誰も思わないからです。
翌月もしくは数ヵ月後には記述のような悪影響が出て、お店の損益は必ず赤字になります。
もしご自身で古着屋を経営されるときは、このバランスにも十分に気を配ってみてくださいね。(^-^)
勉強させていただきました!
リサイクルショップを運営しています。
また読ませてもらいますね!
>てつさん
コメントありがとうございます。
リサイクルショップを運営されているんですね!
貴サイトを拝見させていただきました。
とても見やすくてステキですね(^^)
今後ともよろしくお願い致します。