6.備品と仕入商品の代金について考えよう
「古着屋を開業するときは、どれくらい商品を仕入れたら良いの?」
今回は、開業の際の備品や商品代金について書きたいと思います。
まず備品についてですが、これは例えばレジスターや、POPを書くためのポスカなどです。
細かく言えば、小銭を数えるためのコインチェッカーや、金銭(売上など)を一時的に保管するための金庫、他には領収証やボールペンなどの文房具も必要ですね。
レジスターは新品の物でも1万円~4万円くらいで購入できますので、わざわざ中古を探すこともないとは思います。
(費用を抑えるにこしたことはありませんが…)
できるだけ細かく部門管理ができるレジを選んだほうが良いでしょう。
部門管理、つまり商品管理についてはまた別の記事で詳しく書いていきますが、レシートに印字される文字なども見やすい物のほうが、お客様へ安心感を与えることができます。
もし中古でレジを購入される場合は、必ず「説明書」が付いている物をお選びください。
細かい商品管理の設定ができないようなレジでは、高い利益率を維持する経営が困難になってしまいます。
その他の細かい備品などの購入代金も含めて合計すると、開業の際にかかる備品代金は10万円くらいと言ったところでしょうか。
下記は備品詳細の一例です。
・レジスター 4万円
・金庫 1万円
・その他、文房具やコピー用紙、プリンターのインク代など 5万円
もしパソコンをお持ちでない場合は、中古品でも良いので準備しておく必要があります。
なぜなら、利益率の高い経営を行っていくためには、パソコンの表計算ソフト(Excelなど)が必須だからです。
近年では、動作の早い性能の良いパソコンでもかなり安くなってきています。
中古パソコンでも十分に使える物がありますので、パソコンショップなどへぜひ足を運んでみてください。
インターネットでオンライン購入するのも良いでしょう。
中古パソコンを購入される際は、上で述べたように、必ず表計算ソフトが入っているかどうかだけは購入前に確認してくださいね。
「Microsoft Excel 2003」以上でしたら、どのバージョンでもかまいません。
必ずしも最新である必要はありません。
次に、仕入商品代金についてです。
リサイクル系の古着屋は、商品の主な仕入が「買取」になります。
一般のお客様から、中古衣料品を直接お店まで持ち込んでいただき、そこで査定及び買取を行います。
査定を行うのですから、ブランドを含むアパレルメーカーの一般的な商品知識(新品の価格など)は必要ですが、ある法則に従って買取査定を行いますので、全てのブランドの価格を熟知しておく必要はありません。
もちろん買取のエキスパートとして専門知識があったほうが、お客様からの信頼を得ることができるのは言うまでもありません。
それらの専門的な商品知識に関しては、お店を経営しながら勉強していったのでも良いと思います。
さて、仕入商品代金についてですが、これは初期在庫をどのくらい持っておくかによって金額が異なります。
前回の記事で書いたように、15坪の面積の店舗を例にしていますので、それに沿った方向で進めていきます。
具体的に数字を書いていきましょう。
まずは15坪の店内で、どのくらいの量の商品を陳列できるかを考えます。
陳列できる商品量が決まれば、見込み回転率から売上予測も算出することができます。
これについては「経営編」で書いていきます。
店内の間取りによって異なりますが、15坪の面積ですと、だいたい洋服が2,500点前後、
その他の服飾雑貨類が500点ほど陳列できます。
合計で約 3,000点の商品を陳列することができます。
陳列のしかたは様々ですので、うまく空間を利用した陳列を心掛けると良いでしょう。
(※あくまでも一例ですので、この限りではありません)
この陳列可能な商品量は、店内すべてを埋め尽くすほどの陳列をした場合にすぎません。
開業の時点でこれだけ埋めるのは大変だと思います。
さしあたり最大陳列数のおよそ60%から70%ほどの商品量があれば、ボリューム感のある印象をお客様へ与えることができるでしょう。
あとは、商品一個あたりの単価を決めてしまえば、開業の際にかかる仕入商品代金を算出することができます。
とりあえず、在庫単価は500円としておきましょう。
その根拠については、また後ほど「経営編」の部分で書いていきたいと思います。
以上を計算すると、
最大陳列数の60%=1,800点
商品在庫1,800点×単価500円=900,000円
開業の際にかかる仕入商品代金は、約90万円となります。
□開業資金のまとめ□
・店舗取得費 1,050,000円
・什器取得費 500,000円
・内外装・看板費用 800,000円
・備品代金 100,000円
・仕入商品代金 900,000円
「合計 3,350,000円」
以上が、開業時にかかる必要経費となります。
さらに運転資金も必要です。
運転資金がなければ、せっかくお店を開業しても毎月の支払いが滞ってしまい、あっという間に廃業せざるを得なくなってしまいます。
運転資金には、余裕をもたせたほうが良いでしょう。
(※記述の数字は、実際に開業される方の状況によって異なります。
あくまでも一例であり、15坪のお店を開業する場合は、単純計算でだいたいこれくらい、と言う風にお考えいただけたらと思います。)
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